2011年5月28日土曜日

20011/05/20 衆議院科学技術特別委員会【武田邦彦参考人意見】まとめ

これも文字にしといた~☆


今朝のテレビで、福島県の小学校の基準を20ミリシーベルトと
文部科学省が出している。
ややいかがわしい計算ですが、1時間に3.8マイクロシーベルトまでいいと。 
これを下回ってもご父兄は納得しないと。
だから運動させることはできないんだと、いうようなニュースが出てました。

こういったご父兄の気持ちはどこから出てくるかと言いますと
原子力発電所が事故を起こしますと、漏れる放射線量、
放射線量はいっぱいあるんですけど、ベクレルというのが大体億単位、
数億ベクレルが、普通の放射線が漏れたときの値です。
数億ベクレルが漏れると、社会ではどういうことが起こるかというと
新聞には一面にデカデカと出てます。
原子力発電所から数億ベクレルの放射線物質が出たと、
国は大騒ぎして、研究員を派遣したり、原子炉が止まったり
再開するまで3年掛かったり、こういうことをするんですね。
それが数億ベクレルなんです。今回福島原発から出た量は、それの1億倍なんです。
数京ベクレルから数十京ベクレルです。

ですから通常、新聞や国家が大騒ぎする量が、数億ベクレルに対して
今回、福島原発から出た量は、何十京ベクレルなんです。
ということは、何十億倍なんです。通常、国家が大騒ぎするレベルの
例えば20億倍、そういった量が今回の福島原発から出たんです。
普段、数億ベクレルが出たときに大変危険だというので、
原発を数年止めてやるという政府が、それの1億倍出たら安全だと言ったんですね。
これを理解するというのは、普通には到底できません。
ですから、普通の心境としては、これは嘘だというふうに思うのが当然であります。

したがって、現在福島県を中心とした方々、特にお母さん方が非常に強い不安感を
もっておられるということは、これは政府発表を中心としたものが作り出した
非常に強い不信感だろうと思います。

例えは難しいですけど、1円でも節約しなきゃならないと言っていた人が
突然10億円を前にして、捨てなさいと言ってるようなもんですから。
それを庶民が理解するということは無理であります。

もう一つ、テレビで言っていましたが、
ご父兄に20ミリシーベルトが安全であるという説明ができないと。
それは当然できないわけで、20ミリシーベルトは、1ミリシーベルトよりも
発癌リスクが20倍になるということですから、
20倍になると言わなきゃいけないということですね。
しかし、20倍になるのをどうして我慢させるのか?
私たちの将来を担っている子供たちに、なぜ我慢をさせるのかということを
しっかりと説明しないと、お上が20ミリと決めたから、
その通り信じなさいなんて江戸時代じゃないんでね。
これはもう皆さんが納得しないのも当然であります。

ここのところも非常に大きな問題があって、実際にお子さんを育てておられて
福島の小学校に通わせているお母さんに対しても、やはり気持ちを分かって
今までの政府がやってきたものとの整合性をとってもらわないと
これは解消しない問題であると思います。

それから論点の第二点なんですけども、科学的に振りまして・・。
私はずっと科学の分野で原子力をやってきて、こんなになって深く反省をしておりまして
自分は原子力をやってきたのが、本当に良かったのかと、
こんな結果になるような技術をやってきたのかという、
非常に深い自責の念があるんでありますが。

これはどこにあるかっていうと、一年1ミリシーベルト以上は危険であるということに
基づいているわけですね。
最近、一年100ミリシーベルトまで大丈夫だと言われる人がいて、
私は、非常に残念に思うのは、原子力の技術体系全体が、一年に1ミリシーベルト以上は
危険だということによって、原子炉は設計され、研究がなされ、
すべての法体系が揃ってるんですね。

技術というのは、技術自身が独立して存在するわけじゃなくて
一年に100ミリシーベルトまで、もし大丈夫ならば
現在の原発は安全なんです。福島原発ですら、もしも一年に100ミリシーベルトという
基準に変えるんだったらですね。
あれは化学工場の火災事故と変わらないんですよ。
原子力発電所の事故が危険なのは、そこから放射線が漏れて1ミリシーベルト以上の被曝を
するからこそ、国家としても、乗り出すような大事件なわけですね。
ですから今回、一年に20ミリシーベルトとか、
一年に100ミリシーベルトが大丈夫であるということになりますと、
原子力技術全体を全部変えなきゃいけませんし
原子力の安全基準から、設計基準からを全部変えなければいけません。

そして今、エネルギー議論なんかありますが、もしも一年に20ミリシーベルトとか
100ミリシーベルトが安全であれば、別に自然エネルギーとか言わなくても
原子力をやればいいわけですね。ですから、一年に何ミリシーベルトぐらいまでが
日本人としての被曝として安全であるということを
どこに定めるかによって原子力政策から、エネルギー政策から
現在の被曝に対する補償から全部変わるっていうんですね。

ですから、ほかの参考人からご説明があったように
国際的に一年1ミリシーベルトって決まっているものを今更変えることはないと思う。
それを変えてたら、私たちは何のために放射線とか、原子力をやるときに
防御をしてきたのか、何のために設計をしてきたのか言えばですね、
私は原子力の仕事をずっとやってきましたけど、原子力の機器を発注すると
普通の機器の5倍くらい値段がするんですけど、
なぜするかと言ったら、一年1ミリシーベルトだから高いんですね。
それで重工の会社は儲けてきたわけです。
それを突然今100ミリシーベルトまでいいって言うんだったら、
普通の5分の1の安い機械を買えばいいわけですから。
全部の体型が変わるわけですね。
その中で、文部科学省が一年20ミリというふうに変えたって事は
極めて大きな影響もあり、それが主に子供に対して適用されているということは
非常に大きな問題であろうと思います。

私の技術論というのは、人間は空を飛ぶべきではないから、飛行機はいけないと
いうような議論は取らないんです。
勿論、人間は空を飛ぶべきじゃないかもしれません。
初期の飛行機は次々と墜落しましたから。
だけども、それがクリアされて安全な飛行機になれば飛べるということですね。
原子力発電所もそうで、原子力自体をやるべきではないという議論、
私はそういう考えではありません。

原子力発電所が、社会に対して良い影響も与え、悪いことをしないというんであれば、
墜落しない飛行機になるわけですから、それは科学技術として採用すべきだ。
しかし、そこのところをはっきりしとかないと、曖昧にして事柄をやると。
今度の原子力発電所の事故は、原子力発電所が必要であるから
エネルギー政策上必要であるから、原子力発電所は安全だというような
論理の逆転が今度の事故を招き、多くの人を苦しめたんじゃないかと思います。

最後の論点ですけれども、現在福島原発から残念ながら、放射性物質が出たんです。
一応、一年1ミリシーベルトということを守るということを前提にお話しますと、
モヤモヤとした放射性物質が出て、これは国が一番最初に間違ったことを言いましたが、
皆さん多くの方が間違っていますが、
放射線は距離の二乗に反比例するなんて仰ったものですから、
皆さんが原子炉から離れれば大丈夫だと思っておられますけれども
放射線自体は光ですから、自分の目で福島の原発が見えなくなったら
放射線は来ません。現在、中性子は出ていませんから。

ですから、放射線というのは、福島原発の見えないところ、
自分の目で見えないところには来ません。
現在来ている放射線というのは、福島原発からドカーンと爆発したときに、
火山の灰のように、風に流れてず-と行ったものですね。
これは今度の場合、西北に流れました。

これは例えば政府でいえば、気象庁が全力を挙げて風向きを予測しなきゃいけなかったのに
気象庁は、SPEEDIがあるから、これは原子力安全委員会が持っているんだから
そっちがやれって言ったと。
今度はSPEEDIのほうは、あまり放射性が大きいから、これを発表しないんだと言うと。

国民は税金を払ってSPEEDIを作り、気象庁が持っているにもかかわらず、
どこに放射性物質が飛んでくるか全く分からない状態で、
最初の被曝をしてしまったわけです

私は、付近に居る人を逃がさなければいけないと思ったもんですから
ブログを書いた。そのときに私が参考にしたのは、ドイツ気象庁のデータだったんです。
私はとても悲しい思いをしました。日本は科学技術国でありながら、気象庁が細かく
花粉の状況とか、火山の噴火の状況の予想図を出しているにもかかわらず、
国民の命に極めて重要なことになると、引いてしまったわけですね。
原子力委員会のSPEEDIもそうです。

だからまず第一に私たち技術者は、原子力をやっている人たちは国民の命を
原子力から守るのが第一ですから。
起こってしまった事故は、仕方ないんで、
それに対して最大、損害を少なくする行為をするべきだったと。
そういう意味では、極めて大きな不作品による被曝を福島の人たちにさせてしまったと
いう感じが致します。

ところで、フワッと飛んでいくわけですから、単なる粉なんですよね。
放射性物質というのは、単なる粉なんですね。
粉と言ってもいいですし、塵と言ってもいいし、ゴミと言ってもいいし
なんでもいいんですけど、そういったものです。
大きさは大体花粉みたいなもんで、重さは黄砂ぐらいのもんです。

そうすると飛んでいきますから、3月は空間の線量が高いわけです。
福島原発から放射線が来たんじゃなくて、この部屋でも結構今ありますけど。
この部屋に福島原発から飛んできた放射線物質が何億とあるんです。
そこのちっちゃいところから、我々は弱い放射線の合計を受けている。
現在ここは、自然放射線0.02に対して、その10倍であるとか
そういった量になってるんです。

だから3月の最初は、空気が汚れているわけです。
4月の初旬になりますと、私のブログの読者から寄せられるデータを整理しますと
地面に落ちますから、地面が非常に高くなる。
その頃私は、お子さんを外出させるときは、
手を引かないで抱っこしてくださいと言ったんですね。
やっぱり、下よりか上に行かなきゃいけませんから。
4月の下旬から連休になりますと、それが流れまして
屋根に乗った放射性物質は、戸井に出てきます。
それから散ったものは吹きだまりに集まります。
現在は側溝から、さらに進んでマスの所に移ってきます。

この前、福島県に行って測定してきましたら、
普通のところが1時間0.9マイクロシーベルトに対して、
側溝の溝を計りますと、9マイクロシーベルトでした。
9マイクロというと、ものすごく大きな被曝をしますから、
絶対に子供は近づけちゃいけない。
僕はそこの人に、子供が近づかないように
黄色の枠をしてくださいと言ったんですね。

このことは何を言っているかというと、
放射線を防御しなきゃなんない国としては、時々刻々正しくやらなきゃいけない。
ところが自治体なんかが放射線量を計ったんですよ。
それが地上15メートル、5階なんかで計ってる。
それを文句言いますと、機械が足りないから、壊されるといけないから
5階で計ってるんだと。5階なんかに人は居ませんから。
赤ちゃんは特に危ないわけですけども、
0.5メートルぐらいで計ってもらわないといけない。

だから公表されるデータ自身がいい加減なわけですね。
これは命に関わることだから、やっぱり機器の値段なんか言ってないで
ちゃんとしたデータを国民に提供するということが非常に重要だと思います。

最後に、粉でありますから、除けるんですね。
校庭だったら、校庭の表土を取る。
チェルノブイリのデータを見ますと、はっきり分かりませんが
20年で20センチ沈んでますので、一年に1センチの割合。
でも日本は雨が降るので、もうちょっと進行するとします。

ですから梅雨の前に、福島県の汚染されたところを、
とにかくのけて欲しいんですよ。これは是非、先生方のお力でのけてほしい。
今は逆の方向に行ってるんですよ。
要するにもう汚いものがそこにある。
もしもお母さんが、放射性物質が目に見えれば、絶対に拭きます
そこに毒があるわけですから、拭いて取ろうとする。
なぜそれをどけないのか。それをどける努力をせずに、
基準を20ミリに上げたり、
放射性物質が入ってる野菜を基準値以下だから安全宣言なんかしたって無駄なんですね。
問題は被曝の量を減らすということですから、
そのためには、現在できるだけ早く立ち入り禁止になっているような高いところでは
自衛隊なんかの協力も得て、早く除染しないと、もう一回風が吹きますと
道路に落ちている粉は、舞い上がってほかに行きます。
ですから早く止めなきゃいけない。

それから勿論、福島市のある程度の所は汚れていますから、
これの表土を一番早いうちに取ればいいんですよ。
この前福島行ったら、残念ながら
稲を植える準備をしちゃってるとか。
土を混ぜちゃったら下の方に行きますから
これはもう20年ということになるわけですね。
ですから、できるだけ早くやんなきゃいけない。

小学校の土をひっくり返したとあるんですけど、何やってるのという感じですね。
ひっくり返せば、低レベル廃棄物とか、それで放射性物質は土の中に入ります。
雨が降れば、地下水にいくわけですね。
セシウムは土との馴染みが深いから、すぐには移動しないかもしれませんが
ずっと移動していくわけですね。
地下水に移動したら、とっても厄介なことになるんです

ですからこの際、非常に強い決意を持って、福島の所を除くと。
これは私の論で、違ったご意見もあると思いますが、
科学技術は、原発を作る技術だけじゃないんですよね。
原発の技術というのは、原発が壊れたときに、それを速やかに除染して
何でもなかったことのように生活できるようにするっていうのも
技術なんですね。
この原子力発電所をやる上においては、極めて重要な技術なわけです。
日本は科学技術立国でありますし、経済力も非常に強いのですから
世界に先駆けて、原発が爆発したら、多少困るけれど
きちっと住民を避難させて、速やかにそこを除染したら、
(放射線物質を除いたら)、一年以内に必ず、そこで普通に住めるようになると。
そういう国であるっていうことを示してもらいたい。
それも実は、原子力をやる上での技術の一つではないかと思います。

それからもう一つ、先ほど別の参考人からご説明がありましたように
一年1ミリシーベルトを上げると、日本は既にもう汚染された国なんですね。
我々が自由に海外旅行に行き、海外のレストランで安心して食べ
海外から輸入される水を安心して飲むのは、
世界中がICRPの基準で、一年1ミリだからです。
それを日本だけが一年20ミリにしたら、日本の農産物ばかりだけでなく
すべての製品、テレビに至るまで輸入禁止が掛けられても文句が言えないわけですね。
日本に赤ちゃんを抱いて旅行に来たら、20倍の被曝をするということを
国際的に宣言しているわけですから、勿論健康にも影響がありますし
日本に与える経済的な影響は極めて高いというふうに思います。

私は技術者ですので、色々政治的なことは別に致しまして
是非できるだけ早く日本の技術力を動員して、
まず第一に、梅雨の前、
第二に、風が吹く台風の前に、すべて除いて、
木の葉っぱなんかに付きますから、夏ぐらいには適当に雑草も葉っぱも全部切って
回収できるフィルターの付いた消却装置で、消却すれば
福島を一年以内に、安全に住めるところに取り戻すということが
極めて重要なことではないかと思います。

以上


※適宜にケバ取り、倒置してます。

武田先生が、一貫して訴えてる除染、なんで政府は何もせえへんねん?
検討するとか、一体いつまで検討してるねん?
「国民の安全・安心のために全力を挙げて~」ちゅうてるスッカラ管!
ウソツキ!(`エ´)ピャー

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